倒産した会社に対して過払金返還請求権を有する場合,破産手続,民事再生手続,会社更生手続といった倒産手続の中で配当又は弁済を受けることになります。ただし,倒産手続の中での配当又は弁済は,法律上認められる請求権額の数%以下になってしまうのが通常で,破産手続で会社に残された財産がほとんどない場合など,配当なしとなることもあります。倒産した消費者金融業者の例としては,武富士(会社更生),アエル(民事再生),SFコーポレーション(旧三和ファインス,破産)が挙げられます。
このように,倒産手続においても,配当又は弁済を受けるというかたちで過払金返還請求権を行使することができ,当事務所が代理人として権利行使をすることは一応可能ですが,当事務所は,倒産した会社に対する過払金返還請求のご依頼はお受けしないこととさせていただいております。
なお,倒産手続の中での配当や弁済を受けるには,破産管財人等に債権の届け出をする必要があり,期間内に届出をしないと失権してしまうことがあり得ます。倒産手続が開始した後,業者の方で,過払金が発生している利用者に対して債権届出をするように通知が来ることがありますが,業者に対して届け出た住所が古いままだと,通知が昔の住所の方に行ってしまい,そのまま気づかずに失権してしまうということもありますので,ご注意ください。