弁護士が計算をしてもご依頼者様ご本人が計算をしても、ご依頼者様の取引履歴に基づいて、利息制限法所定の利率に引き直し計算を行うという作業は変わりません。
したがって、理論上の過払い金の計算値は変わらないと言えます。
しかし、弁護士を介さずに交渉した場合に過払い金に対して年5分の割合による過払い利息を付加した理論上の満額を支払ってくることはまずありません。
ご依頼者様ご本人で請求した場合、任意交渉では大手の業者ですら過払い利息は付加せず、過払い金の5割以下での和解案を提示してくることが多いようです。さらに、業者は、ご依頼者様が個人で裁判をされた場合でも、弁護士に訴訟対応を委任し、請求を徹底的に争ってきます。
結果として、業者側の反論が認められて、過払い金が相当程度減額されてしまうことがあり得ます。
以上を考慮しますと、個別の事情、業者によりけりではありますが、ご依頼者様が個人で請求した場合よりも弁護士が対応した方が、回収金額が高くなる可能性が高いと言えます。また、業者によっては、古い取引履歴の一部を保管していないことがあります。当事務所は、そういった場合でも、取引履歴が開示されなかった部分の取引については、契約書、預貯金通帳の出入金履歴等に基づき、どういった取引があったのかを推測して計算する推定計算という作業が必要になります。どの程度の資料があるかどうかにもよりますが、推定計算をする場合としない場合では、過払い金の計算値が大きく異なる場合がありますので、その場合も回収金額が大きく異なると言えます。
弁護士に過払い請求を依頼するかどうかという点では、回収金額の問題以外に、裁判期日が平日の日中に設定されるため、平日にお仕事をされている方はそもそも日程の調整が難しいという問題もあろうかと思います。また、実際に訴訟の準備のために書面を作成する手間・時間が膨大にかかるという問題もあります。これらの点を考慮しても、弁護士に対応を依頼することには意義があると言えます。