過払い金の相殺とは、同じ業者との間で2本以上の取引がある場合に問題となる概念です。
たとえば、A社との間に(1)と(2)の2本の取引があり、(1)の方は引き直し計算をしたら50万円の過払いになったけれど、(2)の方は利息制限法所定の利率内での取引であったため、残債務が20万円残ったままであるという場合を想定してみてください。
この場合、(1)についてA社から50万円を返してもらい、(2)については別途20万円を支払うという手続をとることも可能ですが、これでは手続がまわりくどく、遠回りをしていることになります。
このまわりくどさを避けるため、(1)の50万円の過払い金債権と、(2)の20万円の残債務を相殺し、差額の30万円をA社から支払ってもらうというのが、過払い金の相殺です。