過払い金とは、消費者金融業者に払いすぎた利息のことをいいます。
利息制限法という法律では、有効に受領できる金利を借入額10万円未満では20%、10万円以上100万円未満では18%、100万円以上では15%に制限しており、これを超える金利で借り入れをしている人は利息を払いすぎています。
利息制限法所定の制限を超える金銭消費貸借上の利息,損害金を任意に支払ったときは,その制限を超える超過利息は法律上残存元本に充当されます(最高裁判所昭和39年11月18日判決(昭和35年(オ)第1151号)貸金請求事件))。
そして,債務者が利息制限法所定の制限を超えて任意に利息・損害金の支払を継続し,その制限超過部分を元本に充当すると,計算上元本が完済となったときは,その後に支払われた金額は,不当利得の返還を請求することができます(最高裁判所大法廷昭和43年11月13日判決(昭和41年(オ)第1281号債務不存在確認等請求事件))。
この確立した最高裁判所判例により,長年高い金利で利息を支払い続けてきた方や,高い金利で借入をして完済した方は,貸金業者に対して過払い請求をすることができます。
過払い金返還請求権は、過払い金発生の日から10年で消滅時効にかかってしまいます(最高裁判所昭和55年01月24日判決(昭和53年(オ)第1129号不当利得金返還請求事件))。したがって、過払い金返還請求は、約定金利での借金の支払いを終了(完済)した日から10年以内にしなければなりません。
したがって、過払い金返還請求を躊躇していると、過払い金返還請求権が消滅時効にかかってしまうおそれがあります。