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昭和62(オ)1531 「利息として」,「賠償として任意に支払つた」の意義

裁判情報

裁判年月日 平成2年01月22日
法廷名 最高裁判所第二小法廷
事件番号 昭和62(オ)1531

全文

主    文

 本件上告を棄却する。
 上告費用は上告人の負担とする。

理    由

 上告代理人井尻潔の上告理由一、二、三及び五について
 貸金業の規制等に関する法律(以下「法」という。)は、貸金業者の事業に対し必要な規制を行うことにより、その業務の適正な運営を確保し、資金需要者等の利益の保護を図るための措置として、貸金業者は、貸付けに係る契約を締結したときは、貸付けの利率、賠償額の予定に関する定めの内容等、法一七条一項各号に掲げる事項についてその契約の内容を明らかにする書面(以下「契約書面」という。)をその相手方に交 付しなければならないものとし(法一七条一項)、さらに、その債権の全部又は一部について弁済を受けたときは、その都度、受領金額及びその利息、賠償額の予定に基づく賠償金又は元本への充当額等、法一八条一項各号に掲げる事項を記載した書面(以下「受取証書」という。)を当該弁済をした者に交付しなければならないものとして(法一八条一項)、債務者が貸付けに係る契約の内容又はこれに基づく支払の充当関係が 不明確であることなどによって不利益を被ることがないように貸金業者に契約書面及び受取証書の交付を義務づける反面、その義務が遵守された場合には、債務者が利息又は賠償として任意に支払った金銭の額が利息制限法一条一項又は四条一項に定める利息又は賠償額の予定の制限額を超えるときにおいても、これ を有効な利息又は賠償金の債務の弁済とみなすこととしている(法四三条一項、三項)。以上のような法の趣旨にかんがみれば、債務者が貸金業者に対してした金銭の支払が法四三条一項又は三項によって有効な利息又は賠償金の債務の弁済とみなされるには、契約書面及び受取証書の記載が法の趣旨に合致するものでなければならないことはいうまでもないが、法四三条一項にいう「債務者が利息として任意に支払った」及び同条三項にいう「債務者が賠償として任意に支払った」とは、債務者が利息の契約に基づく利息又は賠償額の予定に基づく賠償金の支払に充当されることを認識した上、自己の自由な意思によってこれらを支払ったことをいい、債務者において、その支払った金銭の額が利息制限法一条一項又は四条一項に定める利息又は賠償額の予定の制限額を超えていることあるいは当該超過部分の契約が無効であることまで認識していることを要しないと解するのが相当である。
 これを本件についてみると、所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯するに足り、右事実関係の下においては、上告人が貸金業者である被上告人Aに対してした金銭の支払は、上告人が利息の契約に基づく利息又は賠償額の予定に基づく賠償金の支払に充当されることを認識した上、自己の自由な意思によってされたことが明らかであるから、これを法四三条一項又は三項にいう債務者が利息又は賠償として任意に支払ったものとした原審の判断は、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は、ひっきょう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。
 同四について
 所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、是認し得ないものではなく、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひっきょう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。
 同六について
 記録によって認められる本件訴訟の経緯に照らすと、原審が所論の措置をとらなかったことに違法はない。論旨は、採用することができない。
 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    藤   島       昭
            裁判官    島   谷   六   郎
            裁判官    香   川   保   一
            裁判官    奧   野   久   之
            裁判官    草   場   良   八

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