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平成21年01月22日 最高裁判所第一小法廷 平成20(受)468 解説

裁判情報

裁判 平成21年01月22日 最高裁判所第一小法廷 平成20(受)468
争点 基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引における過払金返還請求権の消滅時効はいつから進行するか。
結論 基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引における過払金返還請求権の消滅時効は、特段の事情がない限り取引が終了した時点から進行する。
要旨 継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約が、利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含む場合には、上記取引により生じた過払金返還請求権の消滅時効は、特段の事情がない限り、上記取引が終了した時から進行する。

解説

消滅時効は,権利を行使できる時から進行します(民法166条1項)。
権利を行使できる時とは,(1)権利の行使につき法律上の障害がないことや,(2)権利の性質上,その権利行使を現実に期待できることを意味します。つまり,権利者が自ら権利行使をすることができることを知っているかどうかなど主観的な事情は,時効の進行を妨げるものではないことになります。
これを過払金返還請求権についてみると,過払金が発生した時から過払金返還請求権の行使が可能になるので,消滅時効が進行するのは,過払金が発生した時からということになります。つまり,ある貸金業者と借主との間で,複数の金銭消費貸借契約を締結していた場合に,それぞれの金銭消費貸借契約について過払金が発生すると,過払金返還請求権の消滅時効は,それぞれの過払金返還請求権ごとに進行します。これが基本的な考え方となります。

本判決では,この原則に例外が認められないか問題となりました。
この点について,本判決は,過払金充当合意付きの基本契約(継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約が、利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含む場合)は,上記(1)の法律上の障害であると判示して例外を認めました。つまり,過払金充当合意付きの基本契約がある場合には,過払金返還請求権の消滅時効は,取引が終了したときから進行することになります。

過払金充当合意が法律上の障害とされた理由は,過払金充当合意がある場合には,あらたな借入が見込まれる限り,過払金はあらたな借入に充当されるので,借主が過払金を請求することは予定されていない,という点にあります。つまり,取引が終了するまでは,過払金を請求しないという暗黙のルールがあるため,取引終了までは過払金返還請求権を行使できないことになります。逆に,取引終了時点から過払金返還請求権の行使が可能になるため,取引終了時点から消滅時効が進行することになります。なお,本判例の説明にはやや苦しいところがあることは否定できませんが,借主保護という価値判断としては,この結論が妥当であると思われます。
本判例は,過払金充当合意の存在に着目しています。したがって,継続的金銭消費貸借契約であったとしても,過払金充当合意が存在しない場合には,本判決の射程は及ばないことになります。この場合には,原則どおり,過払金が発生したときから時効が進行することになります。

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